2018年10月27日

《報告》射精神経温存後腹膜リンパ節廓清について

精巣腫瘍公開講座in吹田と第56回日本癌治療学会に参加して感じたことを書いてみたいと思います。

精巣腫瘍は化学療法を行い腫瘍マーカーが陰性化した後には後腹膜リンパ節廓清を行い残存腫瘍が死滅しているかを調べるのが標準治療として推奨されております。しかし、その手術はとても難易度が高く、高侵襲のうえ逆行性射精になり男性としてのQOLを大きく損なうリスクがあります。

先日行われた精巣腫瘍公開講座in吹田中村晃和先生が射精神経温存後腹膜リンパ節廓清術を動画を使用して解説してくださりました。また第56回日本癌治療学会で胚細胞腫瘍のシンポジウムでも大阪大学病院の植村元秀先生が同じように射精神経温存後腹膜リンパ節廓清術を動画を使って講演されていました。
2つの講演を聞き感じたことは、射精神経はとても細い事、そして可能な限り神経を切らないように神経に印をして丁寧に残存腫瘍を廓清していることがわかりました。そしてただ病気を治すだけではなく我々患者のQOLも考えておられることでした。
すべてのリンパ節廓清で射精神経を温存できるとは限りませんが、今後、後腹膜リンパ節廓清を行う方は主治医と良く話し合いをし、場合によってはセカンドオピニオンを希望されても良いかもしれません。
過去精巣腫瘍ピサポートには、化学療法は地元の病院で行い、リンパ節廓清だけを行いに来た方が何人も参加されたこともあります。

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